こんにちは!
高校3年生で数学検定1級に合格した志田龍太郎です。

ついにnananairuから本名で登場ですね!
2018年〜2019年にかけて数学検定1級対策というワードで検索順位1位を獲得し、
多くの数学検定1級受験者にお読みいただいた記事を全面リニュアールします。
2022年の数学検定1級に合格するための方法を、
70回分を超える過去問をもとに分析し、
合格するための方法を1から教えます
数学検定1級の日程や範囲のレベル(偏差値)について最年少は何歳?
数学検定1級の近年の傾向などを説明するために、
その前提のことをいくつか紹介します。
数学検定1級の日程
数学検定1級は年に3回の受験ができます。
以前は2回の年もありましたが近年は次のような3回で安定しています。
4月
7月
10月or11月
数学検定1級の範囲のレベル(偏差値)
数学検定1級のレベルは大学程度です。
偏差値については正しい値を出すことはできませんが、
高校数学範囲の問題では東大の過去問とそっくりな問題などが散見されるため、
大学入試では最高難度の数学力が求められます。
偏差値70というのが以前から言われています。
ここの偏差値とは英検1級や漢検1級などの資格試験においての偏差値です。
数学検定1級の最年少は?
数学検定1級に合格した最年少は小学4年生(2019年当時)で9歳の「安藤匠吾」氏です。
とてつもなく凄まじい記録で「君」付けなど畏れ多くてできません。
合格おめでとうございます。
数学検定1級の合格率は10%程度

数学検定1級の合格率は不安定です!
資格試験というのは本来難易度が一定のはずです。
しかし数学検定1級は受験回によって合格率が大きく変動します。
数学検定1級の歴史は古く、
最も低い回が1.3%です。
ちなみにその1.3%回は僕の受験した回でした笑
合格率が高い回は40%にも達することがあります。
それでも10%におさまることが多いので、
数学検定1級の合格率は10%と思ってOKです。
数学検定1級の難易度
数学検定1級の難易度には特徴があります。
合格率は大きな変動がありますが、
実際のところ難易度についてはある傾向があります。
大前提として数学検定1級の内容は大学レベルです。
数学検定1級の難易度について、
数学検定のサイトでは難易度表示が変わった時が複数ありました。
大学初年度程度
大学卒業程度
大学程度
このような流れで難易度表示が変化してきました。
ここから数学検定協会の1級に対する考え方の変化が見て取れます。
この流れを理解した上で難易度の移り変わる様子を解説します。
数学検定1級の1次と2次についての説明です。
1次は60分で問題を7問解く
答えのみが要求されて5問以上で合格。
2次は120分で問題を7問与えられる。
2問は必須で残りは5問中2問選択する。
すべて記述方式で合計で2.5問以上で合格となる。
数学検定1級の難易度(2002年まで)
数学検定1級が発足してから2002年の検定回までは、
全体的に難易度が低かったです。
僕が数学検定1級に合格したのが2005年の夏でした。
そのため2000年付近の問題は過去問として解いていました。
そして今も数学検定1級の研究をしているので、
難易度の違いが分かるというわけです。

具体的にはどのような印象でしたか?
高校数学範囲の問題が典型問題である
大学数学の範囲でもヒントが多い問題が多かった
たとえば1998年の1次の問題で次のような問題がありました。
問題はそのままではなく表現などを変えています。

高校2年生ならば解けなければならない問題です。
実際は今の数学検定2級のレベルに相当します。
大学数学範囲の問題では次のような問題がありました。

数学検定1級の初期の頃の問題の傾向として、
その後の1級において出題率が下がっている分野があるということです。
本問はフーリエ解析の問題で定義などのヒントも問題文に書かれておりました。

1次と2次の難易度は当時は、
どちらが上だったのですか?
この頃だと2次検定の方が上です。
この頃の問題が掲載された過去問などの参考書は順に紹介していきます。
数学検定1級の難易度(2003年〜2011年)
数学検定1級は2003年から難易度が上昇しました。
1次2次ともにワンランク上昇しました。
この頃の数学検定1次が難しいのは、
1次の難易度が異常に高かったためです。
2004年の秋の検定回は全ての問題が歴代1の難問揃いでした。
2004年度の難度をピークとし、
それ以後の1次の難易度は緩やかに安定してきました。

2次はどんな難易度でしたか?
高校数学の範囲では東大数学の問題とほぼ同じ問題が出たり、
受験数学の最上位レベルの問題が目立ちました。
大学数学範囲の問題はレベル差が大きいが、
選択問題なので合格には影響が少ないと思われた。
当時の1次がどれほど難しいのかを紹介します。

僕は数学検定1級の過去問をほとんど解いたことがあるので、
その経験の中から言えるのですが・・・
本問は1次の極限の中で最難関の問題です。


やっぱり2次は難しいですねー
この偏微分方程式の問題は1次の問題です。
こちらは数学検定1級の1次の問題で歴代最難関の問題です。
このような数学検定の歴史に残る問題がほぼ全てに出題された伝説の回でした!笑
数学検定1級の難易度(2012年〜2022年)
2012年に数学検定1級の対策本が出版されました。
2011年以前の数学検定1級は情報がほぼない状態でした。
しかし数学検定協会側も思うところがあったのか、
2012年を境に1級の参考書の充実が目立ってきました。
それにより1次の問題はパターン化されて難易度が落ちました。
しかしそれでは合格率が上がりすぎてしまう。
数学検定協会の数学検定1級の2次の問題を追ってみると傾向が見えました。
2012年以降、
2次の難易度が徐々に上がっている。

以前はまったく顔を出さなかったジョルダン標準形がスタンダードとなっています。
単に対角化せよでは済まなくなって来ています。
全体的に2次の難易度が上昇している様子が見てとれます。
そのため現在の数学検定1級の難易度は次のようにまとめられます。
1次はパターンで合格点が取れる。
2次は実力勝負である。
数学検定1級は2次の突破力が本質となる。
数学検定1級の参考書
参考書はインプット
過去問はアウトプットです。

合格するために参考書を買おうと思います。
でもどれを買ったら良いのかわかりません!
2012年以降に数学検定協会は参考書を出し始めました。
それ以降で問題の難易度はかつてほどの振れ幅はなく、
一定になってきた感じを受けます。
2次の難易度が上昇していることと
1次の対策がしやすくなったこと
この2つを念頭において解説していきます。
以前の改訂前の記事では時系列順に紹介していました。
合格を優先するということで、
おすすめの順に紹介していきます。
数学検定1級の参考書(これだけで合格可能)
参考書と過去問は絶対にセットです!
数学検定1級は試験なので過去問の正解率がそのまま合格率になります。
受験数学でも参考書のルートは大事です。
数学検定1級でもこの参考書をやらないと門前払いという参考書はあります。


この2冊をおすすめする理由は、
大学数学初めてでもOKで、
最近の過去問が載っているということです。
1次試験のパターンはこれで合格するくらいには網羅できます。
2次試験は運が良ければこの2冊で合格点までカバーできます。
受験数学の知識が東大とは言わないまでも、
ある程度はないとその時点で数学検定1級は無謀です。
受験数学の参考書についてはこちらの制覇が完了の目安になります。

数学検定1級の参考書(1次のパターンを確実にする)
前述の参考書で1次のパターンは大丈夫なはずです。
本番で初見に近いものが出た場合は演習量不足ということになります。
それを防ぐため比較的最新刊である参考書を紹介します。

ここまでやれば1次の穴は減ってくるでしょう。
もちろん全て万全な状態ではありません。
数学検定1級の参考書(2次力をつける)
2012年以降の2次の問題の難易度が上昇しています。
本番でお手上げ状態ということもあり得ます。
大学数学の部分を解き切る能力
受験数学の部分を解き切る能力
数学検定1級においては、
あとちょっとで合格という方は大学数学の2次問題に注力することが良いです。
受験数学は範囲が膨大すぎて、
数学検定1級合格を目指すならば極めることは効率が悪いです!


本書は大学で使われる教科書のようなものです。
数学検定1級レベルの問題(過去問あり)を解きながら、
定義や定理の再確認を行なっていく本です。
数学検定1級の参考書(漏れをなくすための本)
ここまで行えば2次の対応もできると思います。
しかし数学検定協会が2012年に10年ぶりくらいに上梓した
数学検定1級対策本があったことを忘れていませんか?
本書は当時は1級合格のためのバイブル的な存在でした。

本書は1次の難易度が高かった2003年〜2010年の問題も掲載されています。
明らかに難易度が違うので、その部分のみ演習しても良いと思います!
数学検定1級の過去問
参考書はインプット、
過去問はアウトプットです。
受験数学でもそうですが、
いくら参考書をこなしたとしても、
実際の過去問を解いて点数を取れなければいけません。
数学検定1級は過去問をやり込んでいるかどうかで合否に大きく影響がでます。
だからこそ過去問研究は大事です。
X年度の第Y回が第Z回検定に該当するのかを書きますね。
また該当する年度の過去問がどの参考書にあるのかも書いていきます。

以下で書式なし
と書かれているものは過去問集がないということです。
その場合は上で紹介した参考書に掲載されている問題があります。
数学検定1級過去問(1992年)→書籍なし
- 第1回検定

数学検定1級過去問(1994年〜1997年)→書籍あり
1992年〜1997年
- 第2回検定〜1997年度2月が第14回検定
数学検定協会が出版した数学検定1級の過去問集で最古のものです。

数学検定1級過去問(1997年〜2000年)→書籍あり
1997年〜1998年
- 第15回検定〜第30回検定
1998年〜1999年
- 第31回検定〜第36回検定
2000年
- 6月:第41回検定
- 7月:第42回検定
- 10月:第45回検定
- 11月:第46回検定
過去問のみが入っている書籍になります。
こちらも出版が古いため書店では入手できないでしょう。

数学検定1級過去問(2001年〜2002年)→書籍なし
2001年
- 7月:第54回検定
- 11月:第57回検定
2002年
- 8月:第67回検定
- 11月:第71回検定
数学検定1級過去問(2003年〜2004年)→書籍あり
2003年
- 4月:第76回検定
- 7月:第80回検定
- 11月:第83回検定
2004年
- 4月:第88回検定
- 7月:第92回検定
- 11月:第96回検定

数学検定1級過去問(2005年〜2006年)→書籍あり
2005年
- 4月:第102回検定
- 7月:第106回検定
- 11月:第110回検定
2006年
- 4月:第116回検定
- 7月:第121回検定
- 11月:第125回検定
数学検定1級の書籍の中で最新刊になります。
著名な一松先生が書かれた本になります。

この問題は東京大学の数学の問題とほとんど同じ問題です。


数学検定1級は難関大学の数学に強いと、
かなり有利な試験になります。
数学検定1級過去問(2007年〜2008年)→書籍あり
2007年
- 4月:第133回検定
- 7月:第137回検定
- 11月:第142回検定
2008年
- 4月:第149回検定
- 7月:第154回検定
- 11月:第161回検定
B4サイズの大型本です。
実際の検定試験のサイズで本番感を養えます。

奇しくも慶應義塾大学の問題とそっくりです!

数学検定1級過去問(2009年〜2010年)→書籍なし
2009年
- 4月:第167回検定
- 7月:第171回検定
- 11月:第176回検定
2010年
- 4月:第184回検定
- 7月:第190回検定
- 11月:第197回検定
数学検定1級過去問(2011年)→書籍あり
- 4月:第206回検定
- 7月:第209回検定
- 11月:第213回検定


数学検定1級過去問(2012年〜2014年)→書籍あり
2012年
- 4月:第220回検定
- 7月:第223回検定
- 11月:第228回検定
2013年
- 4月:第235回検定
- 7月:第238回検定
- 11月:第243回検定
2014年
- 4月:第251回検定
- 7月:第254回検定
- 11月:第260回検定
2007年〜2008年の過去問を収録した本とタイトルが似ています。
しかし互いに別物なのでご注意ください!
2014年度にまさかの8次の行列式が出ました笑

こういう問題は解き方(テンプレ)
知らないとこれだけで試験時間終了ですね

数学検定1級過去問(2015年〜2016年)→書籍なし
2015年
- 4月:第268回検定
- 7月:第271回検定
- 11月:第277回検定
2016年
- 4月:第285回検定
- 7月:第288回検定
- 11月:第293回検定
数学検定1級過去問(2017年)→書籍あり
- 4月:第302回検定
- 7月:第305回検定
- 11月:第310回検定
合格に必携の参考書として紹介した本です。
過去問も近年のものなのでやはりベスト本ですね。


早稲田理工の問題と・・・
ということで数学検定1級は
早慶以上の数学で良い対策になります。

数学検定1級過去問(2018年)→書籍あり
- 4月:第319回検定
- 7月:第322回検定
- 11月:第327回検定
こちらも合格に必須の参考書として紹介したものです。
現在最新版の過去問が解ける参考書になります!

この問題のように、
最近の1次はテンプレが増えています。
参考書をしっかりと購入して対策を行いましょう!

数学検定1級過去問(2019年〜2022年)→書籍なし
2019年
- 4月:第336回検定
- 6月:第339回検定
- 10月:第344回検定
2020年
- 4月:第358回検定
- 8月:第360回検定
- 10月:第363回検定
2021年
- 4月:第372回検定
- 7月:第376回検定
- 10月:第380回検定
2022年
- 4月:第389回検定
- 7月:第393回検定
- 10月:第397回検定
数学検定1級の問題が今後どこまで進化していくのか?
とても楽しみです。
数学検定1級合格体験記

最後に僕の合格体験記を書きます。
合格するまで3回受験をしました。
初挑戦は高校2年生の秋でした。

数学検定1級史上最高難度の第96回検定!笑
1次がボロボロで1.5点でした。
あと3.5点足りませんでした。
しかしこのまま終われないと思い2次試験でくらいつきました。
結果は2次のみ合格しました。
高校3年生の春に2回目の挑戦をしました。
この時は3.5点で合格点まで1完半足りませんでした。
最後の挑戦は高校3年生の夏でした。
当時は情報が全くなかったので大学数学の本を読み込んで、
受験会場のお台場へ向かいました。
何か1つでも高校時代に成し遂げたい。
数学検定1級に絶対に合格したい。
結果は5.0点でギリギリ合格でした。

数学検定1級に合格して数学が好きになりました。
数学は積み重ねの学問です。
1つ1つクリアしていけば目的地にたどり着くことができます。

僕はその後の大学院入試で東京大学に合格できました。
数学検定1級は努力をすれば合格できます。
頑張るチャレンジャーを僕はずっと応援しています。