マイナスかけるマイナスがプラスになる理由って学校できちんと習いました?
これは正負の数の問題で中学1年生で習うべきところです。
しかし数検では過去に準2級の2次試験で論述で出ています。
数検準2級の過去問より
負の数と負の数をかけると正の数になることを説明せよ。
このように中学数学は確かに高校数学と比べると簡単ですが、深く理解しようとしなければ結局は高校数学で(受験数学レベルになると)行き詰まります。
ちなみにこの問題が載っている本は下記の本です!
数検1級所持の僕が中1内容の正の数と負の数の演算について教えていきます!
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【数学検定1級】参考書の順番で合格率が上昇(過去問は難易度に注意!)
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特に数学に興味がある小学生などにおすすめです!
中学数学が高校数学と比べて簡単な理由
中学数学が簡単なのは次の2つの理由からです。
- 中学入試の算数と比べて中学数学はドリルのような感じですぐに要点がわかる
- 高校数学と比べて中学数学の公式の量は圧倒的に少ない
要点の簡潔さと公式の少なさが中学数学をやりやすくしている理由です。
しかし注意点もあります。
それは簡単ゆえに理解が浅くなることです。
こうなってしまうと深く考える習慣がつかなくなってしまうため、色々な科目に影響を及ぼしてしまいます。
中学数学を浅く理解しようとすると次のようなことが起こり得る
- 英語で文法を形だけ覚えようとするので英作文が書けなくなる
- 物理で公式の代入だけを覚えようとするので実験との関係がわからなくなる
- 古典でフィーリングで文章を読もうとして全く学習の意味をなさなくなる
とまぁ、色々な弊害を生みだしてしまいます。
だからこそ数学を深く考えて欲しい理由から正の数と負の数というネタを使って、
深く考えるとはどういうことか?を体感していただきます。
正の数と負の数
さて、ではメインに行きます。
ここであなたに覚えて欲しいのは次の2つです。
- 正の数と負の数の四則演算
- 括弧(かっこ)を外す時の注意点
では、順に説明していきます。
負の数
温度計のメモリで0より小さい数字ってありますよね。
あれがマイナスという負の数です。
-2や-4や\(-\frac{2}{3}\)などとして表します。
反対に3や9などを正の数と言います。
数直線上の数は正の数と0と負の数のどれかで絶対に表現できる!
負の数が入った四則演算
まずは公式を書いておきますね。
と言っても覚える公式は実質2つなのですがね笑
- 足し算と引き算は意味を考えれば計算できる
- 割り算は逆数で考えると掛け算になる
- よって掛け算のルールだけを覚えればOK
以下、掛け算の公式2つです。
- プラス×マイナス=マイナス
- マイナス×マイナス=プラス
では、具体的な問題で説明していきます。
まずは足し算です。
\(1+(-3)=1-3=-2\)
\(-2+(-3)=-2-3=-5\)
このように足し算の場合は数直線などで考えれば一発です。
次に引き算いきます。
\(1-3=-2\)
\(-1-3=-4\)
\(1-(-3)=1+3=4\)
おそらく最後の問題がよくわからないと思うので説明します。
1という位置から-3だけ下がるという問題です。これを言い換えます。
1という位置から3だけ上がるという意味ですよね。
だから4という位置にいくわけです。
ポイントはマイナスは日本語では上がるなら下がるなどと反対の意味でとらえればOK!
次に掛け算です。
\(1\times(-3)=-3\)
\((-1)\times(-3)=3\)
これはマイナスかけるマイナスがプラスになる公式を使っただけですね。
まずおさえて欲しいポイントがあります。
好きと嫌いは反対の意味ですよね。(厳密には無関心ですがここでは目を瞑りましょう。)
これをOKとみなしていただきます。
ここに猫がいるとしましょう。
2人の人がいます。
その2人(A君とB君)に「この猫が好きか?」と尋ねました。
好き→+、嫌い→−と考えてください。
2人は友達になれるでしょうか?
友達→+、友達じゃない→−と考えてください。
正の数と負の数の掛け算の意味の説明
- A君は猫が好きでB君も猫が好き→2人は同じ意見なので友達になれる→+
- A君は猫が好きでB君は猫が嫌い→2人は違う意見なので友達になれない→−
- A君は猫が嫌いでB君も猫が嫌い→2人は同じ意見なので友達になれる→+
このように考えればもう忘れないはずです。
このように数学では公式をしっかり覚えていただきますが、覚える段階では定義さえわかっていれば公式を擬人化などをしても結構です。
例えば数学Aの場合の数・確率ではPとCの違いなど、本質的な理解が問われます。
しかしこの話でも結局擬人化の手法は有効です。
詳しくは安田亨先生の『ハッ確』をご覧ください。
教科書〜東大レベルまでOKな名著です。
忘れていました。割り算の例です。
\(5\div(-\frac{2}{3})\)=\(5\times(-\frac{3}{2})\)=\(-\frac{15}{2}\)ですね。
ポイントは逆数をかけることだけです。
正負の数での括弧の外し方
最後ですね。
括弧の外し方はぶっちゃけ覚えること、ないです。
なぜなら既に外し方は演習問題で出しちゃっていますからね。
\(1-(-3)=1+3=4\)
この問題ですね。
括弧を外すときの注意点は上の例だけを覚えておけば、
その他のパターンは小学生の頃の思考法で十分にわかる。
例を出しますね。
\(1+(3)=1+3=4\)
\(1+(-3)=1-3=-2\)
\(1-(+3)=1-3=-2\)
ちなみに+3は3と省略するのが普通です。
\(-1-(-3)=-1+3=2\)
-3の前に−があるから、結局3ですよね。
だって、マイナスをつけるって反対のことを考えるって意味ですから。
\(1+(2-3)-(4+5)-(-6)=1+(-1)-(9)-(-6)=1-1-9+6=-3\)
長いですが、括弧の中から計算するのは算数と一緒です。
次回は括弧を外すという作業を扱います。
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文字式計算を3分で理解する方法!文字を使う理由と展開まで教えます
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また教科書的な配列ではなく、僕が体系化している流れで説明をしていく感じです。
例えば中1範囲だけど中3範囲がポンと出てきても、そこで扱った方が効率が良い時もある。
実際、御三家の中高では独自のプリント学習をしていており、
教科書にとらわれない学習法が生徒の学力向上に貢献していると考えます。
もちろん他の要因もたくさんありますが。
もっと問題を解きたいあなたには次の本がほどほどの難易度でおすすめです。
こんなに薄いのに中学数学は十分すぎるほど理解できます。
数式エディターはMATHJAXを使用しています
このブログはワードプレスなので一般の数式を入力することができず、
今までなかなか数学の記事が書けていませんでした。
しかし色々と調べたら、MATHJAXというプラグインを使えばOKそうだと分かり、
早速導入してみました。
これでブログの記事の幅が広がりそうで嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございます。