数学検定5級

文字式計算を3分で理解する方法!文字を使う理由と展開まで教えます

2019年8月1日

算数と数学の違いって普段気がつかずにスルーしていませんか?

まずはそこを理解しないと、次のような症状に陥ります。

中1「あ、この問題算数でも解けるじゃん!天秤図書いて・・・」

教師「良い解き方だね」(でもここは小学校ではない!)

中1「なんだ算数でできるんだったら、数学やらなくて良いじゃん!」

僕の経験上、こうなってしまった中1は早めに対処しないとやばいです。

しかも教師もこういった例では結構、最悪です。注意しようぜwww

なぜかと言いますと、数学と算数の違いを中1の生徒も教師も理解できていないからです。

算数と数学の違いは色々とあるが、中1で最も大事な違いは2つです。

  1. 文字を導入して積極的に文字式を使うこと。
  2. 問題を解く際は方程式を立てて解き進めること。

また後ほどの記事で解説しますが、文字式を理解しないとほとんど全ての大学入試問題は解けません。

解けないということは推薦入学などを使わない限り理系の大学へはいけません。

今の時代、就職試験で文字式が出る時代なので意外と大学生も文字式解っていないんじゃないかな?と思い、文字式の記事を書かせていただきます!

なぜこのようなことを言えるか?と言うと僕も大学生を教えていた時期があるからです。

まとめると次のような方に読んでいただきたいです。

  • 早熟な小学生
  • 文字式で分からなくなった中1
  • SPI3などで苦戦している大学生

では、順番に説明していきますね!よろしくお願いします。

分配法則の必要性

以前の記事で僕たちは正負の数を勉強しました

マイナスかけるマイナスがプラスになる理由!正負の数を10分で攻略

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内容は数検5級レベルです。

【数学検定5級】合格率75%!過去問は中学1年生範囲だけど小学生でも合格できるおすすめ問題集を紹介します

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\(1+(-3)=1-3=-2\)などですね。

難しいのはマイナスかけるマイナスがプラスになると言う点だけでした。

ちょっと復習で書いておきますね。

  • プラス×マイナス=マイナス
  • マイナス×マイナス=プラス

では、掛け算と足し算や引き算が入り混じった式はどのように計算しましょうか?

例えばこんな問題です。

\(2(1+(-3))\)

これ、やり方を知らないと普通に括弧の中を計算して−2で、それに2をかけて−4としますよね。

でもこれって今後の数学ではちょっと下手くそな方法です。

会話相手
だって、地道にやれば出来るんだから良いじゃないですか?
数検1級
いつもそうとは限らない。特に数学では『いつも』という視点を大事にしよう。

例えばこんな問題は解けますか?

\(a(b+c)\)の括弧を外せ!

これは分配法則という計算ルールを知らないと解けません!残念です!

でもこれって意味を考えればわかりますよね?

代表的な例では距離と速さと時間の関係に置き換えればすぐに答えが\(ab+ac\)だとわかりますよね?

ここで僕は初めて文字式を使いました。

文字式とは文字を用いた式のことです。

文字式を用いれば、次のような分配法則が成り立つことがわかる。

  1. \(a(b+c)=ab+ac\)
  2. \(a(b-c)=a(b+(-c))=ab+(-ac)=ab-ac\)
  3. \(-a(b+c)=-ab-ac\)
  4. \(-a(b-c)=-ab+ac\)

分配法則から展開へ

突然ですが、次の問題を解けますか?範囲は中3で数検3級レベルです。

【数学検定3級】合格率60%のレベルの難易度で過去問不要!合格点を取るために必要な参考書や問題集を解説

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\((a+b)(c+d)\)の括弧を外せ!

これって中1の教科書にありません。

ですが、工夫をすれば出来ます。

では3分ほど考えてみてください。

数学で未知の問題と遭遇したら、自分の知っている知識に引きずり込む。

これが大学入試数学でも役に立つ数学の問題解決能力の1つです。

本問では\(a+b\)を\(M\)とでも置き換えましょう。

では始めます!

\((a+b)(c+d)\)を計算する。

\(a+b\)を\(M\)とおくと、

\((a+b)(c+d)=M(c+d)=Mc+Md=(a+b)c+(a+b)d=ac+ab+ad+bd\)

これでは見栄えが悪いので式を並び替えて、\(ac+ad+bc+bd\)である。

会話相手
なぜ並び替えたのですか?
数検1級
数学での文字の扱いについてのルールを教えるためだよ。

数学の文字の扱いはルールがある。

  1. \(1a\)は\(a\)と書いて1は省略しなければだめ!
  2. 特に指定がない限り、アルファベッドの若い順にする。例:\(ba\)→\(ab\)
  3. \(x^2+x^4+x\)などは\(x^4+x^2+x\)と並べる習慣をつけた方が良い。

今はこの3つのルール(①のみ強制)だけ守ってくれればOKです!

詳しくは次の書籍がわかりやすくてオススメ!


展開はもっともっといろんな問題があります。

中では大学受験で登場する問題も?!

しかし、今解説したように展開の問題はゴリ押しで何とか解けてしまうのが実情です笑

これを僕はよくゴリるとか表現します。結構昔から。

早熟な中学生のあなたは、次の本で展開を徹底的に訓練すると良いでしょうね。


またいずれこのブログでも複雑な展開の問題には触れます。

待ちきれない!というあなたは次の受験数学テンプレートをご覧ください。東大でもOKです。

大学受験数学の攻略法!教科書からでも最難関までOK

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文字式を使う理由について

最後です。あなたは今まで文字式を積極的に用いてきましたね?

では質問です。

なぜ文字式を数学で使うのでしょうか?

以前僕は次のようなツイートをしました。

このことを端的にまとめると次のようになります。

文字式を使う例は次の2つである。

  1. 変数として文字を使う→\(y\)は\(x\)に比例する関数であるなど。
  2. 任意や一般という意味で使う→さっきの\(M\)とおくのように。

文字式を使うからこそ、僕たちは算数という閉じた世界から数学という広い世界に羽ばたけるんですね。

文字を使うから世の中の動きのいくつかは数学を用いて表現できるし、解けば色々とわかってくる現象や未来もあります。

例えば方程式や関数を次のお話で扱います

中1数学の1次方程式と1次不等式・比例と反比例を絡めて教えます!

続きを見る

かなり飛びますが、数検1級の合格目安は世の中の現象を数学的に表現し解決する力などととらえていますが、確かにその通りだと今は思います。

僕が数検1級に合格したのは高校の時ですが、当時は必死でそのようなことは考えたこともなかったですw

それでも合格はできるので、将来数検1級とりたい!ってあなたは是非とも次の記事をお読みください。

【数学検定1級】参考書の順番で合格率が上昇(過去問は難易度に注意!)

続きを見る

長くなってしまいましたが、このように中学数学って深く考えれば面白くないですか?

中学数学で学ぶことってきちんと整理すれば理解する本質はとても少ないので、これからもポイントを解説していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございます。

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志田龍太郎

東大修士取得後30代で3000万円を築き早期リタイアした元数学教諭(麻布高など指導経験あり)の投資家。サイト+SNS運営などに取り組む傍ら英検1級勉強中。数検1級を高3で漢検1級を教諭時代に取得。数検1級は平成17年度の第106回検定にて合格しました。執筆などお仕事依頼などはお問い合わせからお願いします!

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